日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、河口まなぶによる、個性派カー情報。
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BMW Z4 Mロードスター -究極のオープンスポーツその2-

■最高出力343psを7900回転、最大トルク37.2kgmを4900回転で発生させる326S4型ユニットは、M3のそれと同じく極めて扱いやすいパワー・ユニットになっている。短いシフトレバーを1速に入れてクラッチをリリースすると、Mロードスターはあっけなくスルスルと動き出す。こうした瞬間には、ハイパフォーマンス・ユニットを感じさせぬドライバビリティの高さを感じる。
■街中ではアクセル・ペダルに軽く足を載せておくだけで十分な力が得られる。だから比較的高いギアを選んでも難なく走れてしまうのだ。そうしてMロードスターの鼻先を、自動車の聖地といえる箱根・芦ノ湖スカイラインへと向けたのだった。

■コックピットはノーマルZ4と大きく変わらない。が、そこかしこにMモデルならではの演出がさりげなく施されている。例えばステアリングは青と赤のステッチが入っており、特別な1台であることを視覚的に伝えてくる。またよく見るとダッシュボードなどに使われる素材もこれまでに見たことのないもの。カーボン風の柄の入ったレザー(?)があしらわれている。

■それにしても、いつも感心するのはBMWのインテリアのクオリティの高さ。シンプルなデザインながらも実に丁寧な仕上げがなされており、人の肌が触れる部分は気持ちよい感触に溢れている。そうした部分を感じながら、芦ノ湖スカイラインを適度なペースで流すと、この時点で既に相当に気持ちよいのだった。
■しかしMロードスターのハイライトはスポーツドライビングである。芦ノ湖スカイラインを駆け抜けた時の印象は…この続きは「その3」でお伝えすることにしよう。
■お問い合わせ:BMWジャパン
BMW Z4 Mロードスター -究極のオープンスポーツ-

■BMWは同社のオープン2シータースポーツであるZ4を先日マイナーチェンジしたが、その時新たに設定されたのがMロードスター。Mの称号を与えられることからも分かるように、このモデルはシリーズ最強のZ4である。
■Mロードスター最大のハイライトは、なんと言ってもそのパワー・ユニット。古典的なスポーツカーを思い起こさせるフォルムを持つその長いノーズに収められるのは、現行型BMW・M3に搭載されるものと同じ326S4型ユニット、3245ccの排気量を持つ直列6気筒DOHCである。BMWの最新6気筒エンジン群は、既にマグネシウム・ブロックやバルブトロニックを用いた新世代のものへと移行しているが、このエンジンはそれ以前の世代のもの。とはいえスペックは強烈で最高出力343ps/7900rpm、最大トルク37.2kgm/4900rpmを発生する。最高出力の発生回転数からも分かるように、現在もなおBMW屈指の超高回転型ユニットだ。

■このエンジンに組み合わせられるトランスミッションは6速MTのみの設定となる。そしてこの6速MTを介して、圧倒的なパワーを後輪へと伝えるのだから堪らない。車重は1430kgとなるからパワーウェイトレシオは実に4.16kg/ps。0-100km/h加速タイムは5.0秒フラットというから、ポルシェ911を凌ぐ実力である。ちなみに最高速はメルセデス・ベンツとの紳士協定によって250km/hでリミッターが作動する。
■この圧倒的なパワーを受け止めるタイヤはフロント225/45ZR18、リア255/40ZR18インチサイズとなる。興味深いのは他のZ4は全てランフラットタイヤ(空気が抜けても走行可能なタイヤ)を採用するのに対し、Mロードスターに限っては通常のラジアルタイヤが採用されること。おそらくこれは走りに対する徹底したこだわりによって作られるMモデルだからこそのことだろう。Mロードスターを手がけたM社は、最高のパフォーマンスを引き出す究極の走りを考えた時にはランフラットタイヤではなく、通常のタイヤにメリットがあると判断したのだろうと思える。

■また同様にして、ステアリング・システムもMロードスターは他のZ4とは異なる。Z4は全車が電動パワーステアリングを採用するが、Mロードスターは従来通りの油圧式パワーステアリングを採用している。これもまた走りを考えた時の答え。というのも電動パワステは最近でこそ精度を高め違和感はほとんどなくなっているが、やはり油圧パワステと比べるとステアリング・フィールが希薄な面がどうしても生まれる。Mロードスターは走りにこだわったスポーツモデルであるがゆえに、やはりM社もこの点は譲れなかったのだろう。というワケでMロードスターは通常タイヤ+油圧パワステというコンベンショナルな組み合わせを採用する。悪い言い方をするなら、Z4で用いた技術の否定ともいえるわけだが、やはり走りのモデルだからこそ…と言われれば、それは「こだわり」と言うべきである。もちろん、走りを何よりも重視する僕にとっては、この組み合わせは実に嬉しいものだといえる。やっぱりピュアなスポーツカーには、ピュアなフィーリングが必要なのだ。
■というわけで今回はここまで。Mロードスターの実際に走りに関しては、「その2」でお伝えしたいと思う。
■お問い合わせ:BMWジャパン
フォード・フォーカスST -硬派!! その2-

■随分と時間が経ってしまいましたが、フォーカスSTの第2弾をお送りしたいと思います。ちなみに上の写真は、雨の筑波山。コンディションは最悪でした。ただ、この後、ドライの富士スピードウェイを走ることもできました。というわけで「その1」からの続きをどうぞ。
■ドアを開けると、目に飛び込んできたのは鮮やかなオレンジ色を配した2トーンのRECAROシート。特徴的なのはシート生地で、いわゆるRECAROの張りのある硬さに比べると、ソフトでフィット感の高い表面となっていること。それだけに座ると身体が実にしっくりとホールドされる。もちろん柔らかいのは表面だけで中には実にしっかりとしたRECAROの骨格を感じるものだ。

■ドライビングポジションは、この手のスポーツモデルとしては「ほんのわずかに高め」である。フロントのバルクヘッドおよびダッシュボードの高さと、シートの高さの関係からか、座るとわずかに高いのだ。僕は高さ調整機構の付いたシートの場合、一番下にセットする。この日ももちろんそうしたが、やはり「わずかに」高い。もっともこれはシートの座面形状なども関係するだろう。また僕の体型も。ちなみに僕の場合、ゴルフGTIの方がポジションを低くセットできるので、違和感は少ないと報告しておこう。

■シートに座ると目の前には、ホットハッチらしい演出の施されたコックピットが広がる。特に目を引くのはダッシュボードの中央に置かれた3連メーターで、ここにはブースト計を始めとする計器が置かれている。ブースト計の最高値は1.2bar。実際にここまでブーストがかかることはないだろうが、やはりこうした演出は重要だ。

■赤い文字が刻み込まれたシフトノブは6速。タッチは欧州の大衆車MTらしく、太いシャフトをたぐる感覚。つまりゲートは比較的明確だが、繊細な感じはしない。とはいえ操作性は高い。

■走り出しで印象的なのは、実に軽やかな感覚に包まれていることだ。普通にクラッチをつないで発進すると、スポーツモデルを忘れさせるかのような軽快な出足を持っている。もっともこれはクラッチペダルがやはり欧州の大衆車MTらしく、クラッチのミート・ポイントが明確だからでもある。操作性そのものは軽いのだが、ミート・ポイントで明らかな段があるため、スコッとつながるのだ。
■最初に試したのは一般道。適度なアクセル開度を保って巡航する限り、ノーマルのフォーカスと変わらぬ印象を受ける。が、そこから少しアクセルを踏み込むだけで、大きな力がスーッと生まれ、車体は一層軽々と前に押し出されるのだ。

■ボルボ製となる2.5L直5ターボ・エンジンは、1600回転から最大トルク32.6kgmを発生し、これを4000回転までキープしてくれるため、街中では極めて扱いやすい。流れに沿って走っている時にはアクセルペダルに軽く足を載せている程度だし、必要とあらば少し踏み込むだけで望むだけの力を手にすることができるのだ。
■さらにテストコースに戻り、全開加速を試す。0-100km/h加速は6.8秒という実力派だ。この数値は最大のライバルであるゴルフGTIの6速MT仕様の7.2秒、6速2ペダルMT仕様となるDSGの6.9秒を凌ぐものだ。もっともSTの方がエンジン排気量で500cc大きいのだから、当然と言えば当然かもしれないが。
■実際の加速感は実に痛快。乾いた金属音を発するGTIと比べると、サウンドは低く低回転ではドロッとした音がする。が、回転が上がるに連れてそうした音の粒が揃っていく辺りが気持ちよい。同時に低回転からの大きなトルクによる圧倒的な押し出し感が得られるのである。ライバルのGTIもそうだが、高回転での伸びはさほどではない。やはり最近のターボ・エンジンのトレンドは低回転からの大トルクをフラットに保ち、巨大な力を絶やさずに押し出していく感覚だと、改めて感じたのだった。
■というわけで今回はここまで。この続きは、その3でお伝えすることとしよう。
■フォードSTシリーズ・サイト
■Focus ST Specialsite(english)
■お問い合わせ:フォード・ジャパン
フォード・フォーカスST -硬派!! その1-

■昨年日本へ導入された欧州フォードの意欲作フォーカスに、STと呼ばれるグレードが追加された。STとはスポーツ・テクノロジーの略称で、フォードにおいてこの名が与えられたモデルはWRCマシンなどを手がける「チームRS」によって開発される。つまりメルセデス・ベンツでいうAMGやBMWでいうMシリーズなどと同じような立ち位置にあるモデルである。

■フォーカスSTの成り立ちは、欧州フォードの基幹車種であるハッチバック、フォーカスをベースに、2.5L直列5気筒DOHCターボ・エンジンを搭載し、これに6速MTを組み合わせる。最高出力で225ps/600rpm、最大トルクで32.6kgm/1600-4000rpmを発生する直列5気筒ターボは言うまでもなく、同じグループであるボルボのものである。

■ここからフォーカスというクルマが、ボルボS40/V50、さらにはマツダ・アクセラとプラットフォームを共有する背景が見て取れる。ゆえにサスペンション形式も前マクファーソン・ストラット/後マルチリンクとボルボやマツダと同じだが、当然味付けは3社で異なる。さらにこのSTの場合はフォーカスのホットモデルに相応しいチューニングがなされ、ノーマル・モデルに対し前後のスプリングが30%強化されて車高も15mm低められている。ダンパーもこれに合わせて減衰力調整がなされる他、スタビライザーも5%強化される。そしてブレーキは強化されたキャリパーと大径ローターを与え、足下には225/40R18サイズのコンチネンタル・スポーツ・コンタクト2を履く。その手法はつまり、フォーカスをホットハッチの名に相応しいものとするための定番メニューである。

■内外装はもちろん、フォーカスの最強モデルに相応しいコスメティック・チューニングが施される。エクテリアでは前後のバンパーがよりスポーティなデザインとされ、WRCマシンとの関係性を感じさせるアピアランスとなり、ハッチゲートの上にはスポイラーが備わる。またマフラーも2本出しタイプに改められる。

■3ドア・ボディゆえの大きなドアを開け乗り込もうとすると、目の前には鮮やかな室内が広がっていたのだった。
■というわけで今回はここまで。この続きは、その2でお伝えすることとしよう。
■フォードSTシリーズ・サイト
■Focus ST Specialsite(english)■お問い合わせ:フォード・ジャパン
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